経済分析

経済分析

モルディブの経済は、この20年の間、驚くべきペースで堅実に成長して来ました。インフレが効果的に作用した結果、経済状況において、年間のGDP平均成長率は、7.4パーセントでした。モルディブ経済は主に二つの産業で構成されています。それは観光業と漁業です。小売と卸売業などの観光業への補完的な事業はますます重要な部門となっています。堅実なマクロ経済と、安定した政治環境はモルディブの経済成長を支えてきました。大きく分けて二つの部門に依存した経済ですが、モルディブの経済は外的要因にも充分耐えうるということが判明しました。


観光業

観光業は、モルディブ経済の大きな柱です。観光業は、GDPの3分の1を以上占めています。これは、モルディブ最大の外貨収入部門です。外貨収入の約70パーセントは観光業です。2004年のモルディブ政府の収入の32パーセント以上は観光業が占めました。またモルディブへの旅行者の数も年平均9パーセントずつ伸びており、1984年には83,814人だったものが2004年には616,717人に増加しました。モルディブへの旅行者が多い地域は、ヨーロッパとアジアです。国別では、ヨーロッパにおいてはイタリア、フランス、ドイツ、スイス、イギリスからの旅行者が多く、アジアにおいては、日本、香港、中国からの旅行者が多くなっています。

モルディブの観光業は様々な変貌を遂げました。2006年には観光業確立34周年を迎えました。この34年間に、観光業の構造は変化し、市場は大きく成長しました。今日ではモルディブは「休暇を過ごす場所」として世界中から期待されています。またその期待に応えられるリゾートも用意されています。Hilton, Four Seasons, Club Med, One and Only 、Tajなどの世界でも有名なホテルブランドは世界の国々の旅行者に満足したサービスを提供すべく日々努力しています。また、これらのホテルはモルディブで土地を所有しています。

漁業
昔から漁業は、モルディブの経済を支えて来ました。観光業が発達する前、モルディブ人は漁業で生計を立てていました。漁業部門は長期に渡り、モルディブ経済を支えながら多くの変化を遂げてきました。その内の大きな変化と言えば、ヨットと同じ仕組みのボートから、より大きな機械式で、Fish Aggregating Devices (FAD’s)も取り入れたボートを使用するようになったことです。更に近年、外国人投資家とモルディブ人の間で開始したthe Exclusive Economic Zone (EEZ)は漁業の成長を強化しました。

漁業はGDPの7パーセントを占める重要な産業で、観光業と同じく、外貨収入部門としてモルディブに不可欠です。モルディブで獲れた魚介類は、冷凍されアジアやヨーロッパ、アメリカ合衆国へ輸出されて行きます。

経済政策と開発目的
モルディブ政府は、自由競争における経済発展の特徴を示す経済政策環境の提供をお約束します。貿易と投資を迅速に行える法的整備をし、より明解な投資環境を外国企業へ提供するとともに、政府は財政上の構造を強化し、民間部門に権限を与えるようにしています。

モルディブ政府の国家発展目標は以下の通りです。
・高い経済成長を支える
・勤労するモルディブ人に対し、経済成長に寄与し、利益を得る機会を提供する
・教育の質、レベルを改善する
・Foreign Direct Investment (FDI)の増加と技術者の誘致を増加する
・首都のマーレのような都市の開発を促進する
・家族計画と人口抑制計画を実行する
・国益を増加させ、毎年一人当たりのGDPを改善する

ビジネス環境

投資対象先のビジネス環境は、その投資を成功させるためには非常に重要な要素です。モルディブでビジネスを成功させるために重要なことを、いくつかの分野においてご紹介します。

人的資源

モルディブは、識字率が非常に高い国です。公立の教育機関は無料です。モルディブの学校教育はイギリスの方式にのっとって行われています。モルディブでは、初等教育、中等教育、高等教育という教育スタイルをとっています。中学校を卒業すると、ケンブリッジ大学のIGCSCの試験を受験します。この後に提携のあるロンドン大学に留学する者も、モルディブの高等教育に進学する者も、その他の海外の大学に進学する者などがいます。このモルディブの高等教育機関では、海外の様々な大学と提携し、管理会計、金融、情報テクノロジー、法律、看護、地域保健、教育、観光、ホスピタリティ、エンジニア、など様々な学問を学ぶことができます。更にこれらは学生の技術開発と実務トレーニングなどを適切な形で設置しています。

2000年に行われた国勢調査によると、モルディブの国内労働力はおよそ88,000人の人々が担っています。労働参加率は47.7パーセントです。モルディブ人自体の労働力は、2006年には54,000人以上の国外在住者の雇用によって補填されています。モルディブ政府は国外からの投資を奨励するため、非常に自由な考え方で外国の労働習慣を採用しています。モルディブには厳密に労働法はありません。労働に関する問題は、労働規約と高等教育管轄省、雇用主、社会保障によって定めらたルールに従って解決されます。モルディブは最低賃金制度ならびにはっきりとした賃金構造を持っていません。民間会社の賃金と労働時間は主に雇用主と従業員の間の交渉により決定されます。しかし公的機関については、労働時間と賃金について基準を標準化し、明確にしました。モルディブは、良い労使関係を築き、そのビジネスを成功へ導く基準が必要であると考えています。


経済基盤

モルディブの経済基盤は、ビジネスや投資を活発にし、経済成長を保障する基本的なインフラを整えています。モルディブは、アジア、中近東、ヨーロッパの多くの国々との間に便利な航路を設けています。マーレ国際空港は、どのような種類の航空機の離着陸にも備える体制になっています。

現在、マーレ商用港は、国際的な貨物を取り扱うための原点となっている港です。定期的な貨物がアジアやヨーロッパ各地からから就航しています。多くの消耗品、建築資材、石油などが占めるモルディブの総輸入量は、2004年時点で364,976トンにも及んでいます。2006年には、政府の地域開発の一端として、南部と北部にそれぞれ港を作り、輸入港として動き出しました。そして各国への港への就航を可能にしました。

データ通信サービスにおいては、これまで、政府系の会社Dhiraagu Pvt.Ltd.,が単独でサービスを提供していました。しかしこの事業領域に自由競争が取り入れられ、今では、クウェート人所有の会社Waraniya Telecom Maldives Pvt. Ltd., が前述の会社と共に、データ通信サービスを提供しています。この新規参入した会社により、データ通信市場はより効率化を図ることに成功しました。そして、携帯電話サービスも開始し、顧客へのサービス提供範囲を広げました。

モルディブは100パーセント電力供給がなされています。国有公社であるSTELCOは27の発電所を経由して、リゾートと空港を除くほとんどの島へ電気を供給しています。しかし、現状では限界もあります。そこで、STELCO社は範囲の拡大と、新たなプログラムによる現代化を進めています。

モルディブは特徴的な地理で、それ故島と島を行き来する交通手段、輸送手段はモルディブ国民にとってかかせないものです。政府が運営するIsland Aviation Services社が、モルディヴ全域で4箇所に小さな空港を建設しました。この航空会社は、この4箇所と空港を結ぶ定期便を運航しています。観光事業と、貿易の拡大でこのような島と島を行き来する手段は定期的になり、また頻度も増えて運行されています。

工業

モルディブでの産業開発、および製造業に従事する人口は少なく、モルディブ国内の市場は大変小さいものです。そこで、モルディブは世界のニッチな市場を狙い、今後も産業開発、製造業の発展を目標としています。これらの産業への投資を促進させるために外国投資法の改正、自由貿易地域と特別地域の設立を行いました。法整備によるルールの透明化、特別地域の設立により、これらの事業の発展が期待されています。

銀行業務と投資情報サービス
モルディブには5つの商業銀行があります。モルディブの商業銀行は、通常の国際的な銀行業務を行い、モルディブ中央銀行によって管轄されています。また、モルディブを本拠地とする、Ernst & Young, Price Waterhouse Coopers and KPMGといった世界的に有名な会計監査の会社もあります。国内、海外の会社問わずいくつかの保険会社がモルディブで営業しています。法人、個人のニーズに対応した豊富な保険商品を、これらの会社が提供しています。

法律の制定

モルディブの法律は憲法、イスラム教イスラム法に基づいています。議会によって可決される議案が最終的に法律として制定されのは、大統領による批准の後です。大統領が命令により法律を制定できるように、モルディブ憲法は大統領に公的な権限を持たせています。裁判についての問題はマーレ法廷に一任されています。法廷は治安判事の管轄です。モルディブ高等裁判所はモルディブにおける最高裁判所です。高等裁判所の判決に不満がある場合は、大統領に訴える権利があります。また、モルディブには海外で経験を積んだ国際弁護士を抱える法律事務所もありますので、モルディブ国内の法的問題の対処はもちろんのこと、海外の法的問題の対処も問題なく行える環境が整っています。

備考
貿易と投資に関する法律

・モルディブへの対外投資について定める法律(法律番号No.25/79)
・株式会社の編成を定める法律(法律番号No.23/72)
・契約に関する法律(法律番号No.4/91)
・外国の国民によって行われるビジネスを定める法律(法律番号No.4/79)
・会社登記に関する法律(法律番号No.25/82)
・観光事業に関する法律(法律番号No.15/79)
・輸出入に関する法律(法律番号No.31/79)
・譲渡証券に関する法律(法律番号No.16/95)
・商行為に関する法律(法律番号No.6/91)
・抵当に関する法律(法律番号No.9/93)
・消費者保護に関する法律(法律番号No.1/91)

現在の時刻
モルディブ
日本