モルディブの経済

Economy
モルディブは、90,350平方キロメートルの海に広がる1,190の小さな珊瑚礁の島々からなる国です。国の表面積の内0.331%にあたる部分が陸地となっています。およそ298,000人の国民は、1,190の島の内200の島に分散して居住しています。200の島の内4つの島は、5,000 人以上、77の島は1,000人以上5,000人未満、118の島には1,000人未満の人々が居住しています。

このような独特な地理的、人口統計的特徴は社会福祉事業、輸送基盤開発、市場の拡大などのモルディブの経済発展を阻む要素と考えられますが、このような状況下にも関わらず、モルディブは過去20年間素晴らしい経済発展を遂げています。モルディブは現在南アジアで最も高いGDPを誇っています。1984年には800米ドルだったものが、2004年には2,401米ドルとなりました。民間企業の強い牽引による経済発展は、国が1978年以降、年平均9%の成長率を達成するに大きく貢献してきました。

こうした経済発展の結果として、2004年に国連はモルディブを後発開発途上国(LDC)指定から次の段階に見直すことを正式に決定しました。しかしこの決定の直後にアジアは大規模な津波に見舞われてしまいました。もちろんモルディブもモルディブの経済も大きな打撃を受けました。この結果、2006 年にモルディブのLDCの期間を2008年まで延長することが決まりました。

観光業と漁業
モルディブは、観光業と漁業の二つが主な産業です。近年農業は落ち込んできており、織物業が盛んになってきています。

観光業はモルディブ唯一の重要な産業で国を成長させた大きな要因でもあります。1992年から1999年にモルディブへの旅行者は著しく増え、その数は212,800人から430,000人になりました。これはモルディブの人口の倍の数に当たります。それに伴い、ホテルの収容可能人数も、8,500人から15,000人まで増えました。観光業は、モルディブに広く雇用機会を創出してきました。1999年には、12,124人のモルディブ人、10,068人の海外からの就職者がモルディブで観光業に携わっています。また、観光業は収益の面でも重要でその総収入高は5,275万米ドルに達しています。

漁業は、モルディブ最大の輸出品です。モルディブの労働者の20%以上は漁業に携わっています。また、漁業は首都マーレ以外の島で行われているので、地方収入の柱となっています。漁師の所得は120万米ドルに達しました。漁業は、ボート製造業やボートメンテナンス業の発展にも寄与しています。2004年統計のモルディブの輸出先はアメリカ合衆国が26.5%、タイ23.5%、スリランカ12.3%、日本11.7%、イギリス10%という内訳になっています。取引額は1995年の4,960万米ドルから2004年の1億2,240万米ドルまで増加しました。

継続的な成長
1978年以降、モルディブ人の平均寿命は48歳から72歳に延びました。また、乳児死亡率も新生児では、120人から14人へ減少しました。また、識字率も現在98%で、南アジア・インド洋地域の中で最も高い数値です。これらの事柄は、モルディブの継続的成長において非常に重要です。

モルディブは環境に関する様々な問題にも努力を払っています。モルディブは美しい自然環境を保護するための整備が充分なものではないことを理解し、広範囲にわたる自然の生態系を保護するための対策を講じました。このことは国際社会から賞賛されました。

美しくも、経済基盤がもろい国、モルディブ
これまで紹介したように、モルディブの経済は急成長を遂げているものの、まだまだ弱い点が多くあります。小さなコミュニティが分散している人口分散問題、土地不足といったモルディブという国特有の地理的問題、観光業と漁業に依存し過ぎている経済問題、海面上昇などの環境問題などが挙げられます。これらの問題を重く見たH.Eガユーム大統領は、1999年7月、「外交政策ビジョン2020」計画を発表しました。この計画を達成するためのモルディブ第6次国家発展計画は「既存産業、また模索途中の新しい経済活動、天然資源の保護を徹底的に多角化して拡大する」として国の経済のもろさを無くし、強化して行く指針を取っています。

津波について
2004年12月にアジアを襲った津波は、モルディブへ多大な損害を与えました。約29,000人が家を追われました。人口の約1/3は、直接的に被害を受けました。モルディブ全体への被害は、4億7,000万米ドル、GDPの62%にあたります。その上、2005年には9,400万米ドルの財政赤字に直面しました。

津波の後、モルディブは景気回復に向け、国民一丸となっています。モルディブの二大産業の一つ、観光業もほぼ再開し、旅行者の数は津波前と同じ数に戻ってきました。また、漁業についても釣り船もおおかた修理されました。経済が建ち直るまでにとても多くの時間が費やされました。残念ながらこのことは国連の定めたミレニアム開発目標からモルディブが遠ざかることを意味することになってしまいました。

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